「ドルフィンウェーブSS」ヘリーさんはセックスがしたかったのに。

ヘリーにとって彼はお菓子の家だった。
嵐の夜を掻き分けていくような彼女の人生にぽつりと灯された安息の灯、白昼夢のようなあたたかさ。
2人きりの夜、脱力しきった四肢を投げ出して彼の腕の中に抱かれていると、ヘリーはいつもこれこそが自分の人生の目的であったのだと錯覚してしまいそうになる。
「ね。目、閉じて?」
だからヘリーは彼と出会い別れるたびに必ず二回、神経質にキスをせがんだ。
リップの香りを毎度変えることが臆病な道化の大道芸に過ぎない事を自覚していても、ヘリーには家の鍵を開けっぱなしにしておく決断はできなかった。
無言のまま触れ合った唇はいつまでも離れない。彼女の気が済むまで、彼は寂しがりの少女が求める全てを与え続けた。
「ありがとう。大好きよ」
やがて濡れた銀糸がぷつりと千切れてしまってから、ヘリーは微笑んだ。
頬にさよならのキスをして一歩後ろに飛びのくと、もうそこ少女はいない。
トップデザイナー『ヘリー・ルイス』はいつも通りの快活な笑顔で彼に手を振り、自分のアトリエへと飛ぶような足取りで去っていくのだった。

「次ね。うん、次。キスは出来ているのだし」
仕事道具に囲まれた部屋の中心で、ヘリー・ルイス23歳はベッドに丸まって情けない自慰をしていた。
「ホテルはそう、ワダツミで一番夜景が素敵なところ。美味しいディナーを食べて、ラグジュアリールームの広いお風呂でたっぷりキレイにして」
不意に後ろから素肌を撫でられる想像をしてしまったから、ヘリーの手は無意識に彼女の悦びを煽る。
「それっ……から、ぁっ♥なでて、ぁ、たくさんっ……♥」
トップデザイナーが毎晩彼氏の妄想に抱かれて果てているなど、周りに知れたらどうなるかを彼女はよく分かっていた。故にこの状態は可及的速やかに解消されなければならない。
「だい、てぇ♥せっくす、せっくすしてぇっ♥」
秘めた門を開いても侵入者は現れない。激しく掻きまわされた膣内がついに刺激の頂点へ至ったのち、彼女は茹で上がった頭のままラグジュアリールームを予約した。
「二週間後……」
それまでの予約が全て埋まっていた事はヘリーにとって幸運だった。期限と猶予を与えられた彼女は冷静になって大きく息を吸い、それから安堵の眠りに落ちた。

セレナにとって彼は夜の暗闇だった。
永遠に続く白夜のような彼女の人生に投げ込まれた見通せないもの、インスピレーションをもたらす黒の帳。
他人にはついぞ無関心なあの姉がご執心の男であるという事実も、好奇心を煽るには十分すぎるスパイスだった。
「裏地が見たいんだ」
息を荒げる男の前で、彼女は短くそう告げた。
「すまない、少し分かりにくかったかな。もっとキミを知りたいと言えば自然だろうか?」
馬乗りの体勢をキープして、セレナは無造作にシャツを脱ぐ。汗ばんだ形のいい胸が露わになる。
「そう、知りたいんだ。本当にそれだけだ」
腰を見せつけるように前に突き出してから、セレナは履き慣れたジーンズのジッパーをゆっくりと下ろしてみせる。
「怪しまれないためには、私も同じモノを食べる必要があったからね。それにしてもあの薬は効き過ぎだけど……あぁ、これで見えるかい?」
あるべき下着はそこに無く、曝け出された秘所から溢れた愛欲の蜜がてらてら光って雄を誘う。
差し込む月光、女神の肢体、火照りきった熱情。およそ想像しうる限りの完璧なシチュエーションに彼は息を呑み、鼓動を高鳴らせ、それでも首を縦には振らなかった。

「ふふ……本当に、本当にたまらないな。キミは……♥」
歯を食いしばる男の頬を撫でるたび、心の奥底からインスピレーションが湧き上がってくる。
ひょっとしたら、もしかしたら、私は本気でこの黒を愛してしまうかもしれない。そんなことさえ考えてしまうほど、セレナもまた男に釘付けになっていた。
「だがどうしてキミはそこまで頑ななんだ?キミを裏切ったのも姉さんを裏切っているのも私だ。キミは被害者、そうじゃないか?」
既に隆起を始めている男の陰茎に媚びるようにして秘所を擦り付けながら、セレナは耳元で舌を這わせて囁く。
「キミは姉さんのものだろう?分かってるよ、奪うつもりなんてない。だから……私がこの部屋を貸し切っている二週間だけ、私がキミのモノになろう」
既にまともな思考が困難になっている男の深層意識に自分の存在を焼き付けていく。
「それならいいだろう?好きにしていいんだ。何をしてもいい、どうなってもいい」
耳から頬へ、頬から唇へ。ついに苦も無く男の口内へ入り込んだセレナの舌はぐちゅぐちゅと淫靡な勝鬨を挙げた。
「それならほら。キミは、なんにも、わるくない……♥」

それから二週間後、ヘリーはいつも通りに男とキスをしてからなんでもない健全なデートを楽しんだ。
街のトレンドを見物し、カナロアの窓際の席でドルフィンモデルショーの構想を語り合う楽しいランチタイム。
午後からは気分転換も兼ねてスポーツアミューズメントパークをかなりのハイペースで回った。
散々ににはしゃぎ終えた二人が夕焼けに照らされて、お互いまだ残ったままの子供らしさに赤面する。
「私ね」
俯いて切り出したのはヘリーだった。
「知ってるの。妹の匂い」
貼り付けた笑顔の奥は暗く澱んでいた。
「大好きな匂いだから。大嫌いな臭いだから」
“また”奪われたのだと、彼女は悟っていた。
「何も言わないで、全部分かってるから。貴方はなんにもわるくないから。でも、それでも、」
彼女が全てを言い終える前に、男は強く抱きしめてキスをした。
「ありがとう。大好きよ」
短いキスを終えて、彼女は寂し気に微笑んだ。夕陽に溶けていく彼女の後姿が見えなくなるまで、男は立ち尽くして見守る事しかできなかった。

そこになぜかヴィーナが現れ愛をささやきはじめ……。

こんなに愛が欲しくなったのは初めてだよ…

やったーヘリーさんの怪文書だと思ったらなんだよこれは!

そこで抱けよ!

これもまた愛よ

へリーさんは何もかも奪われるのが似合いすぎる…

姉さんのものだろう?ちゃんと返すよ?

姉さんの彼氏じゃなくなったからセレナの興味も失せるんだよね…

セレナに奪われた後も別れを切り出せず健全なデートとキスにズブズブ依存するヘリーさんもキレイだと思う

なんで妹は姉の大切なお菓子の家の鍵を無理矢理抉じ開けるの…

大好きな姉の大好きな宝物だぞ
素晴らしいよね

コーチは悪くない
薬のせい
薬がなければコーチはこんなことしない

でもいざ自分の番になると興奮してもらえるか不安になって薬に頼りそう

ヘリーさんとの純愛を貫き通すだけでハッピーエンドに辿り着けるんだからイージーモードでしょ

そこで理性をぶっとばす薬をひとつまみ

もう二人ともハメ潰してしまえ

同じKIRISHIMAの子なら仕方ないわよね
裏見鉄工所?取引先の子なら仕方ないわよね
日向重工…協力関係にあるチームの子なら仕方ないわよね
KAZAMI…あの人はコーチとしても優秀だし仕方ないわよね
紫苑…うん、よく懐いてたし仕方ないわよね
ヴィーナ…色々と不思議なところはあるけど魅力的だし仕方ないわよね

そうやって仕方ないわよねって諦め続けた結果が今のヘリーさんだからね
美しいね

元々爆弾抱えてたチームでヴィーナかコーチがなんとかするしかなかったのにコーチの存在まで爆弾側に行ってしまったらもヴィーナが最後の希望だよ

大人になれちまうのが痛いとこだけど大人な自分を手放せないからねヘリーさん

普段着もいいけどたまに高級ブランドでオシャレをするのもいいよね

流されたコーチが悪いから…セレナを拒否すべきだったから…

妹は姉のものを奪るな

なんで皆してヘリーさんを芸術品にしようとするんだ
いいよね…

陽気で破天荒なイロモノキャラだと思ったら
エロゲの裏ヒロインみたいな性格してるくせに逆NTRを食らいそうな要素満載の幸薄キャラだった

これがきっかけでヘリーさんは「作品」を作れるようになってサラキアみたいなブランドを持つんだよね

姉さんは社会的に成功しているし私みたいなダメ人間じゃないんだからいいじゃないか
私には彼が必要なんだ
許してくれるね?

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